息子が10ヶ月に入る頃、
買い物から帰宅後にバックを床に置いたまま
夕飯を作り始めてしまったことがあります。
少ししてから、ふと様子を見ると、
バックのファスナーを開けて中身をゴソゴソと漁っていました。
あらあら……と思いつつ、
息子が手に持っているものを確認すると、
それはお財布でした。
小銭入れのファスナーも、紙幣を入れるポケットの蓋も開いていて、
息子の手はぎゅっと握りしめられていました。
小銭や紙幣が何枚も出てくるのが不思議で興味を惹くのか、
息子はお財布が大好きで、隙あらば奪おうと必死でした。
あまり清潔な物ではないので触らせることは殆どありませんでしたが、
開け方を見て覚えていたのか、試行錯誤して開けてしまったのか・・・。
とにかく、いつの間にかファスナーを開けることを
体得したらしい息子の周りには小銭が散らばっていました。
息子の握りしめられた手の中には数枚の硬貨があり、慌てて取り上げたのですが、
その後も息子の様子が何かおかしく感じ、よくよく観察すると、たまに口がモゴモゴと妙な動きをしていました。
とっさにこじ開けると、中から一円玉が一枚出てきました。
指をねじ入れ他に硬貨がないことを確認しましたが、
小銭がどれが何枚あったかまで把握していなかった為、
すでに飲み込んでしまっていても確認のしようがありませんでした。
顔色や変なところがないか観察しましたが本人は至って元気そのものでした。
小児科の受付は終わってしまっていたし、救急に行くべきか、様子見でいいものか……、
判断しかねて♯8000へ電話すると「硬貨に中毒性はないので至急の必要はないと思うが、
詰まっていると危険。現在元気なら様子を見て、何かあれば救急へ」という回答でした。
ご飯は本人が食べたがるなら食べさせて良いということでした。
硬貨が変な位置にあって何かの拍子に窒息したらどうしよう、気がつかなかったらどうしよう、
と気が気でない夜を越え、明朝1番に小児科へ行き、念のためレントゲンを撮ってもらいました。
しかし、もし一円玉を飲んでいてもアルミニウムなのでレントゲンでは写らないそうで、
しかも私の心配通り、途中で詰まった硬貨の向きが変わって気道を圧迫することもなくはない、
また胃まで下りても腸への入り口を塞ぐこともあるかも……と、
万が一硬貨を飲み込んでしまっていた場合の様々な想定を考えると、
お墨付きで大丈夫ですとは言ってもらえない状態でした。
「とりあえずレントゲンでも変な影もみえないし、本人もとても元気にしているので、おそらく、ですが大丈夫でしょう。
とにかくしばらくは様子を注意深く観察して、もし何かあればすぐに来てください」と言われ、
自分の不注意を深く反省しました。
私の様子を見て気遣って下さったのか、
「怖いことを沢山お伝えしましたが、大丈夫と言ってしまうと変調を見逃してしまうかもしれないので気を付けてもらうためです。
今まで通りお子さんを気を付けて見ていれば大丈夫ですよ。
もし硬貨がウンチで出て来たら教えて下さいね!レントゲンに見落としがなかったか、
怪しい影がなかったか、僕も勉強しますから」と笑って送り出して下さいました。
結局、その後も変わったことはなく、
ウンチで硬貨が出てくることもありませんでしたが、
子供の成長は突然くることを意識し、
大丈夫だろうという気の緩みからくるうっかりに注意するようになりました。
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