特に子ども自身が痛みなどを感じる病気ではありません。
うちの子の場合もいつもと変りない様子でした。
病名は「左遊走精巣」です。
陰嚢(袋)の中に精巣(睾丸)が一時的にお腹の方に上がる症状です。
移動性精巣とも呼ばれ、リラックスした時は降りています。
しかし、うちの場合は長く腹部の方へ上がっている可能性がありました。
その為、5歳の時に停留精巣固定術の手術を受けました。
遊走精巣は手術をする必要がない場合が多いです。
ただ、精巣が陰嚢から上がっている時間が長い場合もあるそうです。
精巣が長時間、上がり続けて温まりすぎると色々なリスクがあります。
将来、不妊や精巣がんの発症が高まるという可能性です。
その場合は、医師から手術を勧められる時があります。
うちの子の手術までの経緯を説明していきたいと思います。
最初に気がついたのは、10カ月健診の時です。
先生が触診しても睾丸が袋になく、足の付け根位まで上がっていました。
先生から「陰嚢に下りてきたことはありますか?」と尋ねられました。
うちの場合はお風呂に入っている時は常にありました。
右側はよく下りていましたが、特に左側が上がっている状態です。
寒い時期は、オムツ替えの時もないことも多かったです。
ですから、時々確認できた旨を先生には伝えました。
先生から自然に降りてくるかもしれないので様子を見るよう言われます。
その後の幼児健診の際はいつも同様のやり取りがなされました。
4歳になっても症状は変わらず、次は個人の泌尿器科へ行きました。
そこでは、触診はもちろんエコー検査もしました。
結果、精巣は正常に発育しているのでやはり様子見となったのです。
そんな頃、偶然「遊走精巣」だけど手術をしたお友達がいました。
その子のお母さんから詳しく経緯を聞くとほぼ同じで驚きました。
このまま様子見でいいのか、悩んだことを覚えています。
オムツもとれて、一日に何度も状態を確認することも難しいです。
それだけに予想以上に長い間、上がった状態だったらどうなるのか?
手術するなら年齢が低い方が手術に対して抵抗も少ないと聞きました。
悩むよりやはり病院に行こうと決心しました。
そして、市民病院を受診してやはり手術した方がいい?と思い始めたのです。
遊走精巣は一日の間で何時間、上がったままならだめなのでしょうか?
市民病院の先生に今の不安をぶつけてみました。
するとやはり、明確なものはないとの返答でした。
最初は様子見とこれまでと同じことも言われました。
しかし、私の意見も考慮してくださって手術を勧められたのです。
手術自体は、そんなに難しくないのでやりましょうとの事でした。
手術を決めるまでは色々と悩みました。
今、本当にするべきかやはり様子を見た方がいいのでは?
初めての手術で無駄に体に負担がかかることも気になりました。
こんな小さい子に麻酔をかけるのも怖いと思いました。
でも、もし危惧するような状態なら後悔するかもしれないと考えました。
このまま大人になって万が一、精巣がんや不妊になってしまったら?
そう考えるとやはり今、手術した方がいいかもしれないと判断したのです。
そして、幼稚園の年長になる前の春休みに手術を受けました。
手術は、精巣と袋の一番下を糸で縫うというものです。
当初は左側だけかと思いきや、右側も上がり気味でした。
その為、一回の手術で両方した方がいいとのことで両方手術しました。
前日に入院をして、翌日の9時半頃から手術が始まりました。
手術前はお薬を飲んでウトウトしていたので泣かずに手術室に行けました。
12時半頃、麻酔がかかった状態で病室に戻り、すぐに目を覚ましました。
15時頃、お水を飲んで吐き気がなければ食事もとれます。
手術で切った両足の付け根に痛みが残りました。
痛いながらもペンギン歩きで売店に行ったりしていました。
子どもの回復の早さに驚きながら、でもその姿を見てホッと一安心です。
そして、翌日には無事に退院することができました。
悩みに悩んだ結果、今は手術をして良かったと思っています。
その後は、1年に1回検診を受けて特に問題なく過ごしています。
現在、8歳ですが特に問題なく過ごしています。
今は、検診もなく何かあればまた受診するよう言われています。
縫いつけた糸は自然になくなる為、今も時々家でチェックをしています。
「遊走精巣」の場合は手術をせずに6歳以降に睾丸が安定する場合も多いそうです。
生殖器の機能に問題もなく、発生学的な異常でもありません。
その為、特に原因もないそうです。
ただ「停留精巣」という陰嚢が一度も下りない状態の病気があります。
停留精巣の場合は手術の必要があり、素人では遊走精巣との区別も難しいです。
その為、気になる場合は小児科や泌尿器科の受診をおすすめします。
停留精巣の原因は不明とされています。
ただ、家族に「停留精巣」だった人がいたら、発生率が高くなる場合があるそうです。
そして、妊娠中の飲酒・喫煙も発生率が高まるそうなので注意が必要です。
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