息子が小学校一年生の春休みの出来事です。
たまたま主人と息子が一緒にトイレへ行き、用を足しました。
息子の尿の色がおかしいと主人が言うのです。
次にトイレに行った時に私も確認しましたが、麦茶のような色だったのを覚えています。
すぐにインターネットで検索しました。
原因として「疲れがたまっている」「水分不足」など軽い理由の他、「腎臓の病気」という記載もありました。
その一週間ほど前に息子は風邪で熱を出しており、その影響なのかもしれないと思い、翌日まで様子をみることにしました。
翌日の朝の尿も同じような色でした。そこでまずは近所のかかりつけの小児科へ行き、そこでも尿を取り、医師に診てもらいました。
すると、ここでは調べられないからと、紹介状をいただいて別の大きな病院で調べてもらうことになりました。
紹介された病院は、小児の腎臓病については権威のある病院でした。
そこで再び尿検査と血液検査などを行い、尿から蛋白と血尿が検出されていると診断されました。
様子を見て良いような量ではないので、すぐ治療しましょうということになりました。入院してくださいと言われました。
突然のことで、涙をこらえるのに必死でした。息子は何が起きたのか理解できないようでした。尿以外は元気なのですから。
そのまま小児病棟へ行き、点滴をしばらくすることになりました。
この点滴で尿検査の数値が良くなればいいが、良くならなかった場合「腎生検」という生検をして、
腎臓の様子を調べなければならないと言われました。
その時点で私も色々と調べていたので、「慢性腎炎」や「ネフローゼ」という病気の可能性を考えてはいました。
でも違っていてほしいという思いもありました。
しかし点滴をしても尿検査の数値は変わらず、腎生検を行うことになりました。
生まれて初めての入院、そして全身麻酔にも臆せずにいた息子はとても強かったです。
結果、IgA腎症という病名が診断されました。
腎臓が炎症を起こしてしまう病気で、治療せずにいると将来人工透析になる恐れもある病気です。
診断された時は、覚悟はしていましたがショックで、医師の前で泣いてしまいました。
治るのか尋ねると、幸いまだ初期の段階なので、すぐ治療を始めれば治る可能性は高いと言われました。
ただ、治療の道のりは長い事も言われました。
初期の一番大事な今の時期は入院すること、その後二年かけて治療し、二年後に再び腎生検をして効果をみるとのことでした。
ここまでで入院も一週間でしたが、一体いつまで入院するのかと聞くと、二カ月弱と言われました。
治療法は主に薬の投与ですが、その薬がとても苦くて、そして量も多いので飲ませるのに苦労をしました。
入院中は付き添いはもちろん、家には長男もいましたから、
家と病院の往復で、私も5キロほど痩せてしまいました。
二か月が過ぎ、血尿と蛋白尿もやや減少をはじめ、やっと退院することができました。
その後も毎月の通院と毎日の薬の服用の他、その病気の原因ではないかとされる、
扁桃腺を取る手術も夏休みに行われることになりました。また冬休みには点滴での治療をするため二週間ほど入院をしました。
そして二年がたち、再び腎生検を行いました。
結果は、炎症もずいぶんおさまってきており、尿検査もほぼ異常がないまでに落ち着きました。
今では通院も二か月に一度、薬の服用も一日おきで量も減り、ほぼ寛解というところまできました。
当時は涙ばかり流していましたが、一番辛かったであろう息子が弱音一つ吐かず頑張ったので、親も耐えられました。
今は医学が進歩しているので、治る病気も増えてきましたが、どんな病気でも初期のうちに受診し、
しっかり治療することが大事なのだと実感しました。
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